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介護報酬「特養過払い」新たに佐賀・広島で(読売新聞)

 埼玉、群馬両県で発覚した特別養護老人ホームへの介護報酬の「過払い」問題で、新たに佐賀、広島両県の2施設でも同様の事態が生じていたことが、読売新聞の調査で分かった。

 県が国とは違う報酬算定の解釈をしていたのが原因。このほか、10県の29施設で、誤った解釈に基づく特養の建設計画が進められていたことも判明、過払いがさらに広がる可能性が強まった。

 国の基準に従うと、低い介護報酬しか得られず施設経営が厳しくなるほか、待機者解消が難しくなるため、自治体からは、地域の実情に応じた施設整備を認めるよう、国に要望する声が高まっている。

 調査は今月、47都道府県に電話で行った。過払いは、リハビリを行う老人保健施設でも、茨城、埼玉、千葉、静岡、広島、香川の6県22施設で起きていたことも分かった。新たに特養での過払いが明らかになったのは、2007年に開設された佐賀県の施設と、08年開設の広島県の施設。2施設での過払い総額は最大計4700万円に上る。入居者が払う家賃も、1日最大820円多く集められていた。

 佐賀県の担当者は「新型の基準に沿った介護が提供されているので、新型の報酬が支払われている。国にも理解してもらいたい」と話す。広島県は「国の対応を待つ」としている。

 また、同様の誤った解釈に基づいて特養の新設・増設の計画が進められていたのは、埼玉、群馬、宮城、千葉、神奈川、石川、長野、静岡、香川、宮崎の10県にある29施設。予定通り新型の報酬が支払われないと経営が立ち行かなくなる可能性があり、既に、計画の見直しを始めたケースも出ている。川崎市内に来月オープン予定の特養がある神奈川県の担当者は「低所得者のために費用の安い相部屋も必要だ」として、国の基準に反して新型の報酬を適用することも検討している。

 この問題で、埼玉県、東京都、川崎市など関東地方の首長が集まった「九都県市首脳会議」は13日、特養の待機者解消や低所得者の負担軽減などに対応するためには相部屋も重要だとして、柔軟な施設整備が行えるよう、国に緊急要望することを決めた。

 一方、厚生労働省は「介護報酬の算定方法は全国一律で自治体独自の判断は認められない。併設では新型の良さは発揮できない」との立場。実態把握のための全国調査を実施している。

 ◆介護報酬の「過払い」=介護保険制度で、サービスを提供した事業者に支払われる介護報酬が、国で定めた基準より多く支払われていたケースが先月、発覚した。個室で暮らす高齢者を少人数に分けて介護する「新型」の特別養護老人ホームは国が推進しており、4人部屋などの「相部屋」の施設より高い介護報酬が支払われる。この高い報酬が認められるのは原則全館新型の特養のみだが、埼玉、群馬両県では県が誤って解釈し、新型と相部屋の併設施設にも新型の報酬を認めていた。

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